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睡眠時無呼吸症候群
(CPAP治療)

寝ている間に無呼吸になる原因は?

寝ている間に無呼吸になる原因は?

睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、無呼吸が起こる原因が何であるかによって大きく2種類に分かれます。

①閉塞性睡眠時無呼吸タイプ(OSA/OSAS)

空気の通り道の喉や気道が物理的に狭くなることが原因

閉塞性睡眠時無呼吸とは、眠っている間に喉の空気の通り道(上気道)が狭くなり、息が止まってしまう病気です。睡眠時無呼吸の方のほとんどがこのタイプです。原因には、首まわりの脂肪が多いこと、扁桃腺が大きいこと、顎が小さい、舌や喉の奥の形によるものなど様々な要因があります。また、日本人は骨格的に睡眠時無呼吸症候群になりやすいと言われています。そのため、どのような方でも睡眠時無呼吸症候群になる可能性を秘めています。

➁中枢性睡眠時無呼吸タイプ(CSA/CSAS)

脳から呼吸の指令が出なくなることが原因(呼吸中枢の異常)

中枢性睡眠時無呼吸とは、肺や胸郭、呼吸筋、末梢神経には問題がないにもかかわらず、呼吸中枢が異常を起こし、脳から呼吸の指令が出なくなることが原因で起こります。

睡眠時無呼吸症候群の患者様の中でこのタイプに該当するのはごくわずかです。閉塞性睡眠時無呼吸では、空気の通り道が塞がってしまい呼吸が困難になるため、呼吸を続けようと身体が努力しますが、中枢性睡眠時無呼吸では、脳からの指令が止まっているために呼吸を行おうとしません。

中枢性睡眠時無呼吸を引き起こす原因は様々ですが、特に心臓の機能が低下していると無呼吸が認められると言われています。

無呼吸は何秒から危険?

無呼吸は何秒から危険?

連続で10秒以上呼吸が停止することを無呼吸と定義しています。睡眠時無呼吸症候群は、中でも一晩(7時間睡眠)で10秒以上の無呼吸が30回以上みられる場合、もしくは1時間に5回以上の無呼吸がみられる場合のことを言います。

重症度の判定は、無呼吸低呼吸の指数(AHI)によって分類されます。

  無呼吸・低呼吸*の合計回数(AHI)
軽症 5~15回/時間
中等症 15~30回/時間
重症 30回~/時間

(*低呼吸とは、30%以上の気流低下が連続10秒以上持続し、動脈血の酸素飽和度がベースラインから3%以上低下または覚醒反応を伴う状態のこと言います。)

睡眠時無呼吸症候群の
セルフチェック

日中の症状

  • 我慢できないほどの強い眠気がある
  • 十分な休息をとっているはずなのに疲労感がある
  • 集中力や注意力が低下する
  • 倦怠感がある

睡眠中の症状

  • 睡眠中に無呼吸の状態が頻繁にみられる
  • 呼吸のリズムが乱れていて、息苦しさを感じる
  • いびきをかいている
  • いびきが途中で止まり、しばらく無呼吸になった後、大きな呼吸と共にいびきが再開する
  • 何度も夜に目が覚める
  • よく寝汗をかく

起きたときの症状

  • 口や喉の渇きがある
  • 頭痛がある
  • 睡眠時間は十分なのに、ぐっすり眠れた感じがしない
  • 起きるのが辛く、なかなかベッドから起きられない
  • 身体が重い

睡眠時無呼吸症候群は
何科に行けばいい?

内科、呼吸器内科、耳鼻咽喉科、循環器科、睡眠外来など、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の治療は様々な診療科で行うことができます。

中でも呼吸器内科では、検査から診断、治療に至るまで、睡眠時無呼吸症候群(SAS)における様々な対応を一貫して行うことが可能です。睡眠時無呼吸症候群について気になる症状がある場合、お気軽に当院までご相談ください。


いびきや日中の眠気を
放置する危険性

いびきや日中の眠気を放置すると、集中力の低下を招き、機械を使って作業したり、車の運転をする仕事をされている方は、命に関わる事故を起こしてしまうこともあります。本来居眠りしない緊張感のある場面(会議中や試験中、面接中など)で眠気に襲われたという方は、注意が必要です。

心臓への負担も

呼吸が停止すると体内の酸素濃度が低下し、心臓が無理をして働くようになります。その結果、心拍数や血圧の上昇が起こり、心不全や不整脈、狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの発症確率が2~4倍にもなると言われています。

睡眠時無呼吸症候群の検査

簡易検査
(パルスオキシメーター)

指先に取り付けたセンサーで血中の酸素濃度や脈拍数、体動を測定することで、無呼吸の状態を予測することができます。ご自宅で検査することが可能です。

簡易検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査)

センサーを鼻や胸、腹部、指先に2日間装着し、いびきがあるかどうか、鼻呼吸の状態、胸部や腹部の動き、血中酸素濃度、脈拍数、身体の位置などを測定します。この検査では、睡眠時無呼吸症候群が「どの程度重症であるか」まで確かめることが可能です。ご自宅で検査することが可能です。

精密検査(ポリソムノグラフィー検査:PSG検査)

こちらの検査は病院に入院し、センサーを身体に装着した状態で睡眠中の様子を調べる検査です。センサーによって、睡眠の深さや分断の回数、長さを測定します。
※PSG(ポリソムノグラフィー)検査が必要であると判断された場合、ご希望に応じて連携している医療機関をご紹介いたします。

睡眠時無呼吸症候群の検査の費用(目安)

  1割負担 3割負担
簡易検査(パルスオキシメーター) 100円 300円
簡易検査(終夜睡眠ポリグラフィー検査) 900円 2,700円
精密検査(PSG検査) 3,750円 11,250円

睡眠時無呼吸症候群は
どうやって治すの?

生活習慣の改善など、ご自宅やご自身で取り組める部分もありますが、睡眠時無呼吸症候群は急激に改善することはありません。医師の診断を受け、適切な治療を実施することが必要です。

生活習慣の改善

栄養バランスの見直しや、適切な運動による減量の他、禁煙なども効果があります。

また、就寝前の飲酒は、適量であれば寝つきが良くなることもありますが、夜中の覚醒を引き起こし、睡眠の質を低下させます。さらに、酔うことで舌が喉に落ち込みやすくなり、無呼吸の原因になりますので、寝る前の飲酒は控えるようにしましょう。

空気を送り込む装置の装着(CPAP)

CPAP(シーパップ)治療CPAP(シーパップ)治療とは、眠っている間に専用のマスクをつけて、気道に空気を送り続けることで、息が止まらないようにする方法です。

特に、喉がふさがって起こる閉塞型の睡眠時無呼吸症候群にとても効果があります。この治療は、AHI検査で無呼吸の回数が多い「中等症以上」の方が対象になります。

マウスピース

寝ている間に専用のマウスピースをつけて、顎を少し前に出すことで気道を広げ、いびきや無呼吸を防ぎます。

市販のマウスピースでは効果が期待できないため、歯科医院で口の型をとり、お一人おひとりに合わせたオーダーメイドのものを作ります。

AHI検査の結果、「軽症」の方が対象となり、必要な場合は歯科をご紹介いたします。保険が使えるものと自費診療のものがあります。

手術

睡眠時無呼吸症候群の原因が扁桃やアデノイドの肥大である場合には、それらを切除する手術が効果的なケースもあります。

手術が必要であると判断された場合、ご希望に応じて高次医療機関をご紹介いたします。